Juice=Juice 5th シングル「背伸び・伊達じゃないよ うちの人生は」感想

「俺たちのライナーノーツ」vol.8


<背伸び>
前作に引き続き、統一した衣装で
ユニット全体のパフォーマンスを強調した感じがある今作。
と思いきや、今までの作品を振り返ってみても
ここまでパート割りをされた楽曲は無かったように思う。
高木・金澤のJ=J2トップ組は歌唱面での評価が期待される2人。
特にここに来て高木の急成長した歌声には
ある種の貫禄みたいなオーラまで放っているかのようだ。
自身のブログでも度々発言している
理想的大人の女性像に対しての強い憧れ。
それが引き金となり生み出される歌い方の変化。
彼女がこれだと内心思った直感が
そのまま歌唱面に影響しているような印象を与える。
ただ、金澤のそれとは若干の違いがあるようだ。
本来持っている直線的な歌い方は変わっていない。
まぁそれでも確実に飛躍している感は否め無い。


宮本・宮崎・植村の組み合わせも伊達では無い。
余り物と呼ぶには惜し過ぎる実力を備えている。
一見、宮本が中心となって2人を先導するかと思いきや
宮崎、植村も彼女に負けない程の存在感を
しっかりとアピール出来ている。
その点を考慮して考えて見ると
この3人の中だけでも確実に彼女達の存在はそれ程、
差が無いように思われる。
見た限り言える事は
ただ単にやる気だけが先走った結果では無いと言う事。
そこに期待してしまうのは自然の摂理なのかも知れない。


そしてこの曲での最大の見せ所は
2チームに分かれるからこそ発揮出来るものだ。
サビの振り付けが両者とも微妙に勢いが異なる点や
1番2番でメインパートが逆転する点などが挙げられる。
それぞれのチームの良さが隔たり無く出ていて
全体のパフォーマンスと言えども
単純な作り方では無いのだ。
そう言う面でなかなか奥深い仕上がりになっている。



伊達じゃないよ うちの人生は
初ツアーで先にお披露目された曲。
ずっとライブで温めていただけあって
ファンの間では物心ついた意識の強い印象がある。
それはメンバーにとっても同じ事が言えるだろう。


今作では今まで以上に全員のパート割が平均的になっている為
植村、宮崎もここぞとばかりに
そのチャンスを活用出来ている節があって
見ていて微笑ましい。
高木も進化した歌声を思う存分魅せつけているが
背伸びの時とは違った曲調な為に
また違った印象を与えてくれる。
金澤もすっかり大人なセクシーボイスを確立し
その存在感を遺憾なく発揮出来ている。
宮本もそこまで抜きん出たイメージは無いものの
魅せられる部分はほぼ100%の確率で
自己アピール並びにユニット全体を引っ張っているので
それだけでも大いに賞賛を贈りたい。



<まとめ>
前作同様に個々よりもユニットとしての真価を
問われたように思われがちなのだが
実は(特に背伸びでは)チーム分けこそしているけれど
ちゃんとそれぞれにピントが合わさるような
作り方をしているのが特徴。
全体としての評価を集めたいのであれば
ソロパートは出来る限り抑えるだろうけれど
歌唱面ではそういう傾向にあるとは思えない。
ダンス面で言うならば確かにそれは多少感じるが
そこまで強いイメージも無い。
つまりは、5人それぞれの実力が
しっかりと色分け出来ていると言う証拠なのかも知れない。
衣装が同じでもダンスが似ていても
この1年で彼女達は確実に個性を手に入れた。
そんな事を感じさせてくれる1枚であったと自分は感じている。