Hop Step Rinap!<勝田里奈>vol.4

スマイレージ LIVE 2014夏 FULL CHARGE〜715(なぁ いこう) 日本武道館〜」感想その⑤


youtube「スマイレージ内紛勃発!?」


これまで、ある種のタブーとされていた彼女に関する重大事項。
それが公式で、しかもリーダーの口から発言された。
"省エネダンス"と言うキーワード。
これは恐らく、スマイレージのファンなら誰しもが感じていた思いで、でも動画でも語られているように、彼女の可愛らしさや自然な美少女感がまるでオブラートで包むかのように、その欠点を隠していました。
正直、自分もこの事に直接触れて良いものなのかとても悩んだし、それでも書かなくてはいけない場面では、それなりの(いわゆる間接的な)表現を施していたのです。
そんな彼女の特長(長所でもあり短所でもある)が表向きに解放された。
やっと、本音で語れる気がします、そんな感じがする。


勿論、省エネダンスと言う著し方も、若干緩和した言い方かも知れません。
もっと攻撃的な表現するならば、やる気が見えない(無いではない)とか手を抜いているというのもあるでしょう。
しかも、全ての場面でそういう感じではないのが難点。
調子の良い時はホント別人のような動き方をするし、実際ハロプロエッグの頃なんかは、とてもエネルギッシュなパフォーマンスをする子だったのです。
自分もその頃の彼女を全て知っている訳ではありませんが、あの頃の彼女には今の研修生と同じような、新鮮な挑戦魂が宿っていて、後ろよりも前を向いていたと感じるのです。
やる気が、メジャーデビューしたいと願う本能が、そのままダンスに反映していた。


いつかのダンスレッスンにて先生から叱咤されていた時がありました。
「勝田はもっと動けるでしょ」と。
その時、自分はやっぱり見ている人はしっかり見ているのだと思ったし、今まで持ち合わせていた彼女のウィークポイントは偽物では無いと感じました。
だから、現場に行くとついつい気になってしまう。
今日は調子良いな、とか今日はダメな日だったなとか、いちいちチェックしてしまう。
どこか本来の目的を忘れて、そういう目でしか彼女を観れなくなってしまった。
気になる存在と言っても、それは多少意味合いの異なるものだったと今なら分かります。
だから、これまでの自分の彼女はそんな興味の対象であったのです。
いつか変われる日が訪れるのを待っていた気もします。


そんな彼女を見て、一部のファンまがいの連中からは「かったりーな」と呼ばれています。
皮肉な話、満更嘘でも無いと言えるぐらい、説得力のある呼び名でしょう。
個人的にはおふざけが過ぎている為、あまり使いたくない表現ですが、ここでも1度ネタとして使ってしまった以上、完全なる否定は出来ません。
彼女自身としては、決してそんな気持ちは無いのかも知れませんが、周りの目は時に冷徹な評価を下す事があります。
彼女の場合、それが色濃く出てしまっている。
勿論、彼女自身がどう思って行動しているのは自分には分かりません。
やる気が無いだけに見えてしまっているだけかも知れないし、またはその逆のパターンだってあるかも知れない。
もしくは当の本人でさえ、ちゃんと理解していないのかも知れません。
結局の所、例え一ファンである自分だったとしても、他人の身分では憶測でしか語れないのです。
でも、ただ1つだけ確かなものがあります。


武道館公演、終盤の「タチアガール」での号泣。
たった一人、まるでマンガの登場人物みたいにその瞳から流れ落ちる涙。
それは"泣いている"とはまるで違った、まさに"号泣"そのもの。
ただ感極まって"泣いている"だけなら、あれ程の量は流れないだろうし、でもその"号泣"の訳がいまいち納得出来るような理由も思い当たらない。
今までの自分なら、そう思っていた事でしょう。
ただ武道館用にTwitterをReuseした辺りから、時々やる気の無い彼女とは違った印象を持っていたので、今回はそんな風にはなりませんでした。
Twitterを出来る事の喜びだけが彼女の中で気持ちの変化をさせた訳では無いと思いますが、でもある種のきっかけになったような気がします。
それを始める以前の彼女のブログは基本、学校ネタが大半を占めていました。
学校大好き、いつメン最高!のイメージが俄然強調されていたと思います。
でも最近はそこまで昔のような内容ではありません。
勿論、彼女の中での学生と言うテーマは無くなった訳では無いと予測されますが、今はスマイレージ(もっと広い意味合いがある可能性もありますが)としての自分を優先させている節がある。
加入当初、2期が不安要素として抱いていた受け入れてもらえるかと言う材料。
彼女自身がどこまで考えていたかは分かりませんが、この武道館と言う大きな晴れ舞台があったからこそ、そこに重要性を見出した感じがしています。


武道館効果は確実に彼女の中の何かを変えた。
だからこそ、あの場面での涙の訳も何となく分かる気がするのです。
これもまた推測の域を抜け出せないのですが、彼女自身も自分がどんな風に思われていたか知っていたのではないでしょうか。
だから、そういう想いを背負って武道館に望まざるを得なかった。
一部のファンに対してある種の敵対心を持っていてもいなくても、彼女はそういう煮え切れない気持ちでやるしかなかった。
でも彼女は知っていた筈なんです。
いつも現場で応援してくれるファンの暖かさに。
どんな自分でもしっかり受け止めてくれる人々が居る事を彼女は知っていた。
そう言う意味での涙。


とは言いつつも、それはそんなに大きな要因では無いのかも知れません。
人が感動して号泣する理由はその人にとって、とても重要かつ重大な出来事が起こってからこそだと思います。
彼女にとってのそのトリガーは個人的には「タチアガール」の歌詞と演出にあると思うのです。
日本武道館と言うステージは彼女にとっても、またスマイレージにとっても大きい、大き過ぎる舞台であったと思います。
それは3ヶ月前に発表された時、ファンの誰しもが感じた事です。
まだ早いのではないか、と言うような意見が大多数を占めていたと思うし、事実自分もそう感じました。
それでも彼女達は成功させなければいけなかった。
次に繋げる為にも、現時点でのスマイレージをしっかり魅せなくてはいけなかった。
それぞれ気合いもそれ相応に持ち合わせていました。
だからこそ、当日客席が満席だった光景を目の当たりにして感極まっていた。
涙が流れる準備はある意味整っていたのです。
彼女の号泣はそんな彼女自身のここまでやって来た気合いの証明です。
その想いが強かったからこそ、ただ涙を流すだけに留まらず、ダムのように感情を決壊させたように感じます。
まぁそう思いたいだけなのかも知れないのですがね(汗)


現時点ではHop Step Jumpとまでは行かないにしても、今回の1件で彼女なりの手応えと言うか、収穫はあったと思います。
最大の成長はその思考なのかも知れません。
確実に変化はあったと思いますが、それがもっと発揮されるのは今後の秋ツアー以降になるのかな。
そう言う意味で、これからも目が離せない存在なのは、あいも変わらず以前と一緒かも知れません。


やる気の無い省エネダンスと言われた、自然な可愛さを持っている一人の少女。
飾らなくとも十二分に魅力のあるその容姿や、ほんわか雰囲気が人気だった彼女がこれ以上の賞賛すべき要素を手にしたのなら、それは今までの本人を変革したと言えるでしょう。
ある意味無敵。
そんな完全無欠な美少女が誕生する日はそう遠くない?

  1. ルックスと雰囲気から魅せる美少女。
  2. シュールで妙にツボを突いてくる"ばくわら"キャラクター。
  3. シャカリキ感がバリバリで、やる気に満ち溢れた笑顔ガール。


その3つの条件が達成した瞬間、勝田里奈はやっと辿り着くだろう。
Hop Step Rinap!と言うキャッチフレーズが似合う彼女に。