Juice=Juice 4th シングル「ブラックバタフライ・風に吹かれて」感想

「俺たちのライナーノーツ」vol.7


<ブラックバタフライ>
J=J初の統一性のある衣装と
前作から引き継がれた個々よりも
全体でのパフォーマンスが重視された今作。
ユニットとしての完成が望まれている為
意外に見落としがちなのが
一人ひとりの微妙な成長の兆しかも知れない。


宮本は今まで出さなかった歌声を発掘し
ダンスにも直線的な勢いよりも曲線的な滑らかさが加わった。
高木も真っ直ぐで勢いのある歌い方が
大人の第一歩を踏み出す声質に成長した。
金澤は今までも色気が強調されていたが
更に自分のものにしたような印象を受ける。
植村は所々で見せる蝶になりきった感が
とても好印象を与え、そこに彼女らしさを垣間見た気がする。
宮崎だって負けていない。
J=Jとしてのパフォーマンスに堂々と挑戦し
そしてやりきっているのだ。


タンゴ調のメロディを軸に
歌もダンスもパフォーマンス的にも
確実に成長を感じさせる1枚だと思う。
それは個人個人もそうだけれど
ユニットとしても同じ事が言えるのではないだろうか。
実に心地好いではないか。



<風に吹かれて>
M.V.での初ロケ&演技で彼女達にとっても
新たな風が吹いた1曲になったのではないか。
物語は宮本が助けを求めて紙飛行機を飛ばし
それに気が付いた他のメンバーが集まるという
ごくシンプルな構成だ。
しかしながら、そのシンプルさが
かえって彼女達の演技(特に表情)をクローズアップさせ
なかなか良い出来を見せている。
多少の突っ込み所もあるにはあるのだが
それもまたご愛敬と言う感じで楽しめて
ほぼM.V.としての完成度は高い。


歌唱面で言うと高木が一歩リードして来た感がある。
ブラックバタフライでも書いた通り
今までは直線的な印象が強かったが
今回はそこに情熱的な感情が付加されたような
大人っぽい歌声を披露している。
丁度その頃は彼女自身も大人について考えている時期
だった為か
またはただ単に成長したのかは判別出来ないが
少なくとも何らかの理由があったに違いない。
と、自分は捉えている。



<まとめ>
個人的に惜しいと思うのは
植村や宮崎の歌唱パートが少ない点だ。
曲の世界観の問題もあるにはあると思うのだが
2人のそれはそこまでレベルの低いものでは無いし
植村なんかはジャケット写真でセンターに立たされて
いるのだから
もう少し出番を与えても良かったのではないかと感じる。
風に吹かれての2番冒頭でも
とても素晴らしい印象を残しているから
尚更残念で仕方がない。


まぁそうは思ってみても
今作で彼女達5人が少しずつではあるが
確実に成長している姿を知る事が出来たので
そういう面では非常に満足している。
個々としてもユニットとしても
今後の活躍が目に見えて分かったような気がする。