演劇女子部 S/mileage's JUKEBOX MUSICAL 『SMILE FANTASY!』総括

Smale Age<スマイレージ>vol.13
H!P Kenshusei<ハロプロ研修生>vol.12
GekiJo<演劇女子部>vol.2


ネタバレ注意
今回は一気に書きたいと思います。


ミュージカルと言う事で
劇中にはスマイレージの楽曲が所狭しと
散りばめられています。
共感が持てたのは以下の2点です。

  1. 歌の世界観をそのまま再現したストーリであった事。
  2. メジャーなシングル曲だけで構成されていなかった事。

ファンなら誰しも思い浮かべるであろう
歌の歌詞に関しての想像や妄想を
このミュージカルではそっくりそのまま
物語として取り入れていて、
さも、今まで自分達が想い描いていた脳内映像を
具現化したかのような錯覚に陥ります。
脚本の末満さんは本当に細かい部分にまで
注意を払ってくれているのが
この舞台を観れば良く分かりますね。
それだけ資料を把握しているし
観察眼なんかも桁外れな感じがします。


勿論、ただ歌の世界を舞台の物語として引用している
だけではありません。
ちゃんとその間、あいだに接続させなくてはいけない
物事を上手く取り入れたりしているのです。
個人的に感じるのは彼は道筋の流れを作るのが
とても上手いと言う事です。
場面によっては強引な部分もあるけれど
でもそれはそれで、敢えてわざとやっている感じがして
そこまで違和感を抱かせるようなものではありません。
まぁ特にそう思えたのは演じている彼女達のそれが
あまりにわざとらしい感じがしたからなんですけどね(笑)
スキちゃん」の件はまさにそんな感じでした。
今改めて考えてみるとね。


そして、2つ目に挙げた好感の持てる要素。
代表的ないわゆるスマイレージっぽい
らしさが詰まった選曲ですが、
シングルだけに閉じ込まらずに
ちゃんとアルバム曲やカップリング曲に
目線を広げている辺りがとても良いと思います。
だからこそ、スマイレージファンに観てもらいたい。
メンバーも口を揃えて言うのでしょうね。


もぅ一つ特筆すべき点として
ここでの歌はミュージカル限定仕様になっていて
普段のライブやイベントではお目にかかれない
貴重なパフォーマンスになっていたりします。
しかも、ほぼ全ての楽曲がフルと言う事で
それだけでもレアな体験をした感じがします。
ライブに行っている感覚で舞台を楽しむ事が出来て
しかもその全てがまた新しいオリジナル感を生んでいる。
自分も実に楽しませてもらいました。


そこで危惧されるのが
通常の現場とは環境が異なる事です。
ある程度の拍手や喝采は必須にも関わらず
過度なコールやノリに関しては
その全てが一切N.G.とされる現場。
主催者側も事前に危険回避の対処として
一応の対応は提示してくれたけれど、
2日目の開演前には
その事項についての諸注意として
全く別の案を出した辺りを考慮すると、
初日では事前告知の効果があまりにも威力を発揮してしまい
逆にミュージカルそのものの魅力を半減させてしまったみたい。
自分も初めの内は多少の戸惑いを隠せませんでした。
どこまで良いのか、と言う想いはありましたね。


そこで意外なあの人が予想以上の活躍をしてくれました。
はい、省エネガール・勝田里奈です。
これはあくまで自分の中での話なのですが
歌が始まって観客がどうして良いのか迷っている時に
すかさず"手拍子お願いします!"的な煽りを
率先して行動に移したんですよね。
ただ単に、そういう設定と言うか
演技指導をされただけかも知れないのですが、
個人的にはそれがあるのと無いのとでは全然違いました。
あの時、あの瞬間にりなぷが手拍子を勧めていなかったら
多少の心残りがあったと思います。
そんな彼女に感謝です。


ストーリー的には
結局の所、感動的なハッピーエンドで幕は降ります。
予想通りの展開であったし
その事に関しては十分承知していたので
問題視するつもりは一切ありません。
個人的な事でもありますからね。
ただ自分にとってはおそらく今の6人のスマイレージ
感じれる唯一の現場だったので
そういう面ではとても意義のある現場だったと思っています。
真新しい成長を感じる事は出来なかったけれど
それでもこの目に6人のある意味
集大成的な舞台を観る事が出来て良かったです。
1番初めに抱いていた、ほんの少しの不安も
観劇後には跡形も無くなっていましたしね。


終演後は6人とハイタッチでしたが
色々と考える事が出来ました。
自分が思い描いている6人の虚像と
実際に生で感じる彼女達の実像は
似て非なるものだとも感じたけれど、
でも、そこで感じた想いが
間違い無く正解であると言う事実はどこにも無いのです。
考え過ぎも良くないけれど
考えなさ過ぎも良くありませんね。
だから今回自分が感じた想いは
一ファンとして心にそっとしまっておきたいと思います。
それが例えベストな方法では無いとしても
それでもベターなやり方だと信じているので。


最後になりましたが
スマイレージの6人、ハロプロ研修生の3人、演劇女子部の3人。
計12名の皆々様方に
この至福の時間を与えてくれた事へ感謝の意を込めて贈ります。
「出逢ってくれて 有り難う」と。


演劇女子部 S/mileage's JUKEBOX MUSICAL『SMILE FANTASY!』
これにてレポート完結。