Kananan<中西香菜>vol.7

スマイレージ LIVE 2014夏 FULL CHARGE〜715(なぁ いこう) 日本武道館〜」感想その③


「スマイレージ LIVE 2014夏 FULL CHARGE〜715(なぁ いこう)日本武道館〜」セットリスト


先月のバースデーイベントの時に彼女に抱いた、歌が抜群に上手くなっているという想い。
実はずっと気になっていたのです。
ここまで歌えるようになったのだから、是非ともこの実力を知らないファン達にも披露出来る機会があればな、と。
勿論、これ程の歌唱力が発揮されるには、それなりの条件が必要です。
全ての楽曲において達成出来るレベルでは、まだ少しばかり早いよう。
それはイベントに行って同時に感じた事でもあります。


しかしながら、前述した通り、現時点での彼女の歌唱の素晴らしさはやっぱり聞いてもらいたいし、堪能して欲しいのです。
自分はそれで、とても感動したから、余計に強く思うのかも知れませんね。
また個人的に1番気になっていたのは、その機会が武道館であるかどうかという点です。
1番良いのはソロですが、そのチャンスが果たして得られる確率はあるのか。
それが叶わなかったとしても、違う形でも良いから垣間見えれば良いかなとも思っていたのですが、公演終了後に配信されたオリコンニュースさん(だったと思うけれど)での動画で自分の願いは実を結びました。


チーム・強者として披露した「ねぇ 先輩」。
チラっとしか写らなかったけれど、確かにその片鱗を覗かせた歌いっぷりでした。
スマイレージの低音担当である彼女の良い部分が、確かにそこで発揮されていました。
更に、今までの苦労の成果とでも言いましょうか。
その堂々とした迷いのない姿勢に、あの時観たバースデーイベントでの彼女が重なったのです。
自分が観たかったのはまさにこれです。


普段は関西人生粋のお笑い担当である彼女。
でも、オーディション当時からその実力不足を根底に持っていて、くしくも自身のキャラクターをそういったネガティブ指向なものにしていた部分もありました。
でも、元々彼女はとても感受性の強い子で、そういう面から日々努力を惜しまなかったし、どんなに辛い状況下でも、諦めずに努力する意志の強さを持ち合わせていた。
だからこそ、今の彼女の歌唱力にはそれ相応の説得力がある。
これだけ歌えるようになったのも、一心に真面目に頑張って来たからこその結果であると言えるでしょう。


どうしてそこまで出来たのかについての解答は、彼女自身の物の考え方にあるようです。
例として挙げるなら「有難う」と言う言葉。
普段何気なくそこにあるもの(幸せとかその他諸々)は、実は当たり前の物では無い。
何気ない日常の中で「ありがとう」と言う言葉を言う機会は幾らでもありますが、実際は本当に心から言えているか、または伝えられているでしょうか。
意外にそれって簡単なようで、難しい事なのかも知れません。
そこに有るものは実は簡単なものでは無く、難しいもの。
彼女はそういった意味合いを込めて、「有難う」と言う言葉を捉えている。
そんな子なのです。


だからこそ、辛い思いをしても、苦渋の経験をしても、弱音を吐いたとしても、結局諦める事なんて出来なかった。
諦めるなんて言葉は、初めから彼女の辞書には載っていなかったのかも知れませんね。
どんな経験をしても自分の糧にしてしまうのが中西香菜と言う一人の少女の最大の魅力。
そしてそんな彼女が居たからこそ、スマイレージの実力が底辺から押し上げられている気がします。


個人的に感じる事があります。
かななんって基本は真面目で思考もポジティブなんですけれど、でも自分の事となると(今は昔程では無いけれど)ネガティブ思考に変換されるんですよね。
ネガティブと言うには強過ぎるのかも知れないけれど、やっぱり謙虚な姿勢が全面に出て来る。
バランスが取れていて良いのかなとも思いますが。
だから、かななんってポジティブとネガティブの両方の印象がします。
これはかにょんちゃん(福田花音ちゃん)にも言える事。
まぁ若干ではありますが、それぞれに多少のズレはある気がしますけれど。


赤点にすら届かない、ド素人な一人の少女だったあの頃。
それでも周りに迷惑をかけたくないと言う強き志で必死にもがき苦しんだ。
その結果、確固たる実力を身につけたその勇ましき姿は、もはや揺るぎ無いスマイレージの大きな力。
屈折3年。
やっと自身の存在価値を見い出す事に成功した当時の劣等生。
もぅそんな風には呼ばせない。
何故なら、その頃の面影は今は一切消え失せてしまったのだから。
開拓せよ、新天地へと続く頂のある場所へ。
進撃せよ、終わらぬ夢のその先へ。