演劇女子部 ミュージカル「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」総括

無事に全19公演終了し、ネタバレ解禁と言う事で。

  1. リリー(百合)・・・威厳、純潔、無垢
  2. スノウ(スノードロップ)・・・希望、慰め、逆境のなかの希望、恋の最初のまなざし
  3. マリーゴールド・・・信頼、悲しみ、嫉妬、勇者、悪を挫く、生命の輝き、変わらぬ愛、濃厚な愛情
  4. シルベチカ(忘れな草)・・・私を忘れないで下さい、真実の友情、真実の愛
  5. キャメリア(椿)・・・常にあなたを愛します、理想の愛、完全な愛、謙遜
  6. 紫蘭(シラン)・・・あなたを忘れない、お互い忘れないように、薄れゆく愛
  7. 竜胆(リンドウ)・・・あなたの悲しみに寄りそう、誠実、正義、悲しんでいるときのあなたが好き、貞節、淋しい愛情
  8. チェリー(桜)・・・優れた美人、純潔、精神美、淡泊
  9. カトレア(カトレヤ)・・・優雅な女性、魔力、魅了
  10. ナスターシャム(ナスタチウム)・・・愛国心、有能な人
  11. ローズ(薔薇)・・・愛、美、内気な恥ずかしさ、
  12. マーガレット・・・恋を占う、貞節、誠実、心に秘めた愛、真実の友情
  13. ジャスミン・・・素直、可憐、温情、気だてのよさ、愛の通夜、官能的
  14. クレマチス・・・高潔、たくらみ、美しい心、旅人の喜び、精神的な美しさ
  15. ミモザ・・・友情、真実の愛、秘やかな愛、豊かな感受性、堅実、エレガンス、神秘
  16. ファルス(Phallus)・・・男性の象徴物

それぞれの役の名前は基本的に花から名付けています。
1人だけ例外なのがハル(工藤遥ちゃん)演じるファルス。
調べれば分かる事ですが、ここでは割愛します。


上記に花言葉を載せてはみたものの、
その意味と人物像は必ずしも=ではないみたいですね。
個人的に思ったのはチェリーは桜では無く、花言葉が"燃ゆる想い"のチェリーセージの方がしっくり来るなぁ。


今作でのファルスは演出家・末満さんの前作TRUMPの
主人公だったソフィ・アンダーソン、その人です。
自分は観た事無いから詳しくは分からないのだけれど
ホームページを見てみると、かなりリンクしている部分が多くて
そういった意味でも意欲作って言うか凄く興味深いですね。
それにしても、この大役をハルは本当に良く演じたと思います。
こういう裏事情を知ると余計にそう思いますね。
TRUMPファンの人がリリウム観たら絶対気になるポイントでしょう。
実際どう思われているか分かりませんけれども、それでも十分やりきった事に代わりありません。


TRUMPのスピンオフ的な意味合いを持っているのかな。
今回のリリウムは。
みんなのブログとかを読んでいると
本当に今回の経験がとてもプラスになったと実感します。
特に印象的だったのはズッキ(鈴木香音ちゃん)かな。
突っ込みの事まで指導されていたなんて思わなかったし
その中で自信がついたとも書いてあるから
個人的にもそれはとても嬉しい限りです。
舞台だからこそ得られるものってあるよね。


大阪での千秋楽では最後、ステージ上に百合の花が置かれたそうです。
百合の花言葉は純潔・無垢・威厳。
リリウム少女純潔歌劇は物語全体を通してどこか悲しげなイメージが常に醸し出されています。
それは登場人物達がそれぞれに持っている感情が反映されているし、またクライマックスでの出来事も含まれているからだと思います。
自分はこのリリウムでの悲しい世界観こそ純粋無垢なのではないかと思うのです。


最後にリリーが下した行動は、ファルスに対する反発もあるのだろうけれど、全てそうだったとは思えません。
貴方に束縛されるような人生は送りたくないと言う強い想いが確かにあって、それ故の行動がリリーの威厳の証。
でも結局、自身もファルスと同じような結末に陥ってしまう。
これって確かに正しい選択をした風には見えるのだけれど、ある意味、自業自得だよね。
紫蘭や竜胆はファルスの悲しみを納得し受け入れたのだから、このリリーの行動で救われたとは思っていないだろうし。
それはスノウにだって言える事です。
私利私欲の為にリリーはイニシアチブと言う能力を使ったと思います。


そんな罪を犯した結果、彼女は途方も無い罰を受けざるを得ない羽目になります。
孤独や悲しみを永遠にその血に刻み込んで。
でももしかしたら、強い心を持った彼女だったら大丈夫なのかも知れませんね。
リリーの信念を見ていると、鞘師里保と言う1人の女性の未来の姿を見ているようです。
何かしらのキッカケを作り、良い意味での事件を起こしてくれそうな予感を。


さて、こんな感じで一区切りつけましょうか。
正直今回のミュージカルは内容が濃密で「生きる」と言う事と「死ぬ」と言う事に対して、とても考えさせられるものでした。
だからその分(メンバーに対してもそうですが)沢山の考え方がどんどん溢れて来てしまい、結果うまくまとまらない感じになってしまいました。
自分にとって相当難易度高かったですよ、出来た脳味噌では無いからね。


それでも実に楽しみました。
ステーシーズもこんな感じなのかな?
リリウム2なんてあったら絶対行くな。
感想とか今回よりもっとすごい!やばい!事になりそうだけどね(笑)
その日がいつか訪れる事を密かに願いながら。