Trick Star<田村芽実>vol.3

演劇女子部 ミュージカル「リリウム-少女純潔歌劇-」感想その④。
ネタバレ注意!


今作でめぃめぃが演じたのは"マリーゴールド"と言う少女。
この子もあやちょ(和田彩花ちゃん)演じるスノウと同じく
人間とヴァンプの間に産まれた子どもでいつも1人で行動しています。
クランと言う隔離された病院が舞台なのですが
彼女とスノウは人間の血を引いているので
基本的にお互いひとりぼっち。
今までも同じ境遇だった為か
自分自身の存在を否定し何も望まない事で
自己の価値をかろうじて見出して来た彼女。


そんな状況を変えてくれたのが
唯一の親友であるサヤッシー(鞘師里保ちゃん)演じるリリーでした。
声をかけてくれた事によって
そこに暖かい温もりを感じ
初めて自分らしさを取り戻せたマリーゴールド
だからこそ、彼女にとってリリーは親友である以上に
とても大きな存在であり、
なおかつ命を賭けても守らなくてはいけない大事な人なのです。


自分は彼女を観ていて
この想いはどこか「魔法少女まどか☆マギカ」の暁美ほむら
彷彿とさせる印象がありました。
自分を犠牲にしてまで守らなくてはいけない存在。
ほむらが鹿目まどかに寄せる気持ちや決意とリンクする部分が
沢山あるのです。
そういった観点から物語の進行にはとても重要な役と言えるでしょう。


めぃめぃ自身の演技力も折り紙付きです。
舞台女優出身と言う事もあってですが
その演技には彼女らしい活発な魂がこもっていて
何度観ても納得せざるを得ない仕上がりですね。
敢えて個人的見解を述べさせてもらうなら
毎回全身全霊の演技をするので
他のメンバーと比べるとその成長具合が若干分かりづらい
といった所でしょうか。
勿論、全く分からないというような事は無いのですが。


また今回観ていて気がついた事がありました。
今に始まった発見ではありませんが
彼女の歌やダンスには田村芽実らしい独自の強弱が付いています。
それは女優としてやって来た仕草が色濃く反映されたもの。
声量の大きさだったり、立ち振る舞いの勢いの良さであったり
きっと自分でも確認出来ない程、他にもあるのでしょう。
それが彼女らしさの根本にある。
だからこそ16人が1つの狭いステージでパフォーマンスしても
飛びきり目立つ事が出来るのです。
現に自分は全員曲で1番印象が強かったのが彼女です。
毎度の事ながら、この子の目立ってやる精神は尋常じゃないです。


今回の役所は
そんな彼女の気合い十分なやる気にガッチリはまっていました。
その演技だけで魅せていた「我らジャンヌ」よりも
より個性を活かせたベストな役でした。
お見事です。